ロスカットはユーザーを守るための強制決済
ロスカットとはレバレッジ取引で含み損が一定以上になった時に強制決済されることです。
おさらい!:レバレッジの仕組みを分かりやすく解説!
レバレッジ取引は少ない証拠金を元に何倍もの取引が可能でした。効率よく利益を出すことができる反面、損失も大きくなる諸刃の剣でもあります。損失は必ず払わなければならないので、元手が100万円なのに損失が500万円になってしまったら大きな借金を抱えてしまうことになります。
このように証拠金以上に損失を出さないため、含み損が証拠金維持率を割った時に強制決済し、それ以上損失を出さないロスカットという制度があります。
出典:DMM Bitcoin
ヒロ
ルリ先輩
いつロスカットされるかは証拠金維持率で決まる
ロスカットは証拠金維持率が一定の割合を下回った際に行われます。証拠金維持率は取引所によって異なります。
ロスカット証拠金維持率比較(※2021年10月現在)
取引所 | 維持率低下アラート | ロスカット証拠金維持率 |
---|---|---|
GMOコイン | 100%以下(※追証あり) | 75%以下 |
DMM Bitcoin | 100%以下(※追証あり) | 50%以下 |
Liquid by FTX | 100%以下(※追証あり) | 30%以下 |
bitFlyer Lightning | 100%以下(※追証あり) | 50%以下 |
GMOコインの場合、証拠金維持率が100%を下回った時にユーザーに警告の通知が届き、75%を下回るとロスカットされます。
証拠金維持率の計算方法や名称は取引所によって異なるため説明しづらいですが基本の考え方は同じです。
証拠金維持率計算式一覧(※2021年10月現在)
※公式サイトより引用
取引所 | 証拠金維持率計算式 |
---|---|
GMOコイン | (口座残高 + 暗号資産FXの建玉評価損益 – 取引所(レバレッジ取引)の建玉必要証拠金) ÷ 暗号資産FXの建玉必要証拠金 |
DMM Bitcoin | (純資産 – 注文証拠金) ÷ ポジション必要証拠金×100 |
Liquid by FTX | 純資産 ÷ 維持証拠金 × 100 |
bitFlyer | 評価証拠金 ÷ (必要証拠金) |
ヒロ
ルリ先輩
証拠金維持率ってややこしい!分かりやすく教えて!
ルリ先輩
ヒロ
おさらい!:建玉(ポジション)ってなに?
こちらも参考に!:レバレッジの仕組みを分かりやすく解説!
ルリ先輩
ヒロ
ルリ先輩
(現金 + 保有中ポジションの含み益・含み損) ÷ 保有中ポジション(=必要証拠金) × 100
上の例で試算すると、含み益も含み損もない場合、
(20万円+0円)÷10万円×100=200%
証拠金維持率は200%になります。
同様に、含み損が5万円の時は
(20万円-5万円)÷10万円×100=150%
証拠金維持率は150%です。
含み損が10万円の場合は
(20万円-10万円)÷10万円×100=100%
証拠金維持率は100%です。
ヒロ
ルリ先輩
ロスカットの対象になるため、証拠金維持率が100%を割り込むと新規ポジョションが立てられなくなります。例の場合、現金が10万円で100%です。
(10万円+0円)÷10万円×100=100%
どのくらいの証拠金維持率が安全圏かは500%とも1000%とも言われていますが、短期取引だったら300%以上が目安と言われています。
どのくらい含み損が増えたら危険?実際に計算してみよう
レバレッジを大きくかけると、含み益や含み損の幅も大きくなります。では実際どのくらい含み損が増えたらロスカットされるのでしょうか。
ルリ先輩
ヒロ
ルリ先輩
ここではレバレッジ4倍の例を上げてみます。(※2021年10月現在、国内取引所はレバレッジ2倍まで)
<例>
取引所に預けている口座残高=現金20万円
1BTC=100万円の時に証拠金10万円で買いポジションを保有(レバレッジ4倍)
レバレッジ4倍なので証拠金10万円で40万円分の取引ができます。つまりヒロは0.4BTCのポジションが保有できます。この時点では含み益も含み損もないので証拠金維持率は(20万円+0円)÷10万円×100=200%です。
ここで急落して1BTC=97.5万円に下がった場合、0.4BTC=39万円に下がります。含み損は1万円。
証拠金維持率=(20万円-1万円)÷10万円×100=190%
ヒロ
ルリ先輩
海外の取引所では10倍や25倍など大きくレバレッジをかけることができますが、多少の変動で大きな含み損が発生します。急落の際に耐えられるよう残高には余裕を持って取引をしてください。
ロスカットを防ぐために追加入金!追証はある?
取引所によっては、含み損が大きくなりロスカットになりそうな時、証拠金維持率を上げるため追加で口座に現金を入れるかどうか選択できる場合があります。これを追証金(おいしょうきん)といいます。
追証金ありなし(※2021年10月現在)
取引所 | 追証 | 維持率低下アラート | ロスカット証拠金維持率 |
---|---|---|---|
GMOコイン | あり | 100%以下 | 75%以下 |
DMM Bitcoin | あり | 100%以下 | 50%以下 |
Liquid by FTX | あり | 100%以下 | 30%以下 |
bitFlyer Lightning | あり | 100%以下 | 50%以下 |
追証金制度がある取引所では、維持率が低下した際に追証するか通知が来て、期限内に入金すれば追証が成立します。追証なしの取引所ではそれがありません。
追証してロスカットが防げる場合もありますが、更に急落した場合は余計に損失を増やしてしまうため判断が難しく、メリットでもありデメリットでもあります。レバレッジ初心者の場合は追証なし(しない)をおすすめします。
ロスカットは手数料がかかることも
ロスカット手数料ありなし(※2021年10月現在)
取引所 | ロスカット手数料 |
---|---|
GMOコイン | 0.5% |
DMM Bitcoin | 無料 |
Liquid by FTX | 0.2% |
bitFlyer Lightning | 無料 |
ロスカットされてしまった場合、取引所によって手数料がかかることがあるので注意してください。